中盤の底の役割を攻守にわたって忠実にこなし、一進一退のピッチで光り輝いた。
MF山内彰選手がボランチとして全国社会人選手権の初スタメンに座り、積極的にボールに絡んだ。
自身の持ち味という運動量を前面に押し出し、攻めては中央からサイドへ巧みにパスを流して自らも仕掛け、守っては果敢にボールにチャレンジした。
若さと勢いのある関東リーグの強豪をねじ伏せ、「今季初めてのスタメンで難しい面はあったが、取りあえず自分の良さを出し切るだけと硬くならずに向かっていった」。
フルタイムでピッチに立ってのチーム2勝目に目尻を下げた。
レイラック滋賀から今シーズン移籍した。
加入当初からサイドハーフを任されたものの、チーム内競争で競り負け、中々レギュラーに絡めない悔しい日々が続いた。
九州サッカーリーグでのスタメン出場はなく、途中出場が6度、メンバー外の試合も数多く味わった。スタミナや献身性、技術力は高いものの、今一歩成長できない自分がいた。
しかし、腐ることなくトレーニングを重ね、そんな中、ポジションが一つ下がった。
9月からのトレーニングマッチでチャンスをつかみ、そしてものにし、今大会の遠征メンバー25名に名を連ねた。
巡ってきた好機を「無駄にしたくない」と、さらにアピールを重ね、今シーズン初スタメンに選出された。
まして、今大会の開催地は滋賀時代に約半年間過ごした場所だ。
「知り合いがたくさん来てくれて応援してくれるだろうと思った。いい姿を見せたかった」。
普段はのんびり屋で、いじられキャラの男のハートに火がともった。
その思いのすべてをこの日のピッチにぶつけた。
相手がボールを持つとポジションエリア内でしつこく追いすがってプレスを掛け、背後から迫ってボールも奪取。
ピンチに繋がり兼ねない場面を幾度もひっくり返し「まずは自分の良さの守備を最大限に生かして貢献したいという気持ちだった。それができたのは良かった」。攻撃面でも起点となって相手にプレッシャーを掛け、中盤のコントロール役として完封勝利を力強く支えた。
初優勝まであと3勝。
大きな戦力となり、「いつも通りのプレーしかできないと思うので地道に徹底していきたい。それ以上を求めて何か変なプレーにならないようにしたい。守備をしっかりしつつ、攻撃では裏へのパス。そこを突き詰めてもっともっとチームに貢献できたら」。
JFL昇格を目指すチームの一員として、自信とさらなる自覚を深めた貴重な「都農スタメン」デビュー戦となった。
- 2024.10.20
- 選手・スタッフ