2025.06.06

《選手&スタッフ インタビュー #45 》味元 陽明選手インタビュー

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高精度なドリブルと的確なパス回し

好機をつくり、昇格へのゴールを決めろ!

チームの新風、MF 味元陽明(みもと やひろ)選手にインタビューした

 

サッカーに捧げた青春時代


―サッカーを始めたきっかけは?

父が地元サッカースクールで監督をしていたので、その影響で 5 歳くらいから始めました。監督の父もコーチ陣も全員厳しく、練習もかなり大変だったのを覚えています。自分はキャプテンをしていたので、他の子よりもずっと厳しく指導されていた気がします(笑)。 「チームメイトのお手本になるように」という大人たちの思いがあったのかもしれません。

 

―スクールではどんなことを学びましたか?

サッカーの基礎はすべてここで学んだと思います。基本の「止めて蹴る」はもちろん、今でも自分の武器だと思っているドリブルの技術も、スクールのおかげで身に付けることができました。

 

―プロを目指したのはいつごろから?

小学4年生くらいからです。テレビや生でプロ選手の試合を見て、自分も「ああなりたい」と思ったのがスタートでした。特に憧れているのはメッシ選手。彼は全部がすごくて、ドリブルはもちろん、チャンスをつくる力も、決定力もあります。サッカー選手の中でも別格な存在だと思ってますし、本当に憧れますね。

 

―小中高時代でターニングポイントだった試合や出来事はありますか?

特に印象に残ってるのは、中学校最後の県大会です。通っていた学校は県内でも強豪校だったんですが、いつもベスト4より上に進めていませんでした。その「ベスト4の壁」を、自分たちの代で初めて超えたんです。しかも決勝戦まで。

決勝戦では、延長後半に自分が得点を決め、PK 戦までもつれ込みました。自分も蹴ったんですが、外してしまって結果負けてしまったんですけどね(笑)。ただ、小学校からずっと一緒にサッカーをしてきたメンバーと一緒にベスト4の壁を超える経験」ができたことは誇らしい思い出でした。「もっと上の世界に行きたい」「もっと高いレベルでサッカーがしたい」と強く思うきっかけになりましたね。

 

―本格的にプロへの道を歩むため、宮崎産業経営大に進学されましたね。

プロになってより多くの人にプレーを見てほしい気持ちが強くなり、大学でもサッカーを続ける決心をしました。ただ、大学時代は試練が多い時期でした。2年生の終わりに肩を脱臼するけがをし、初めて長期離脱を経験しました。大きなけがをすること自体が初めてで、自分にとっては人生初の挫折だったかも。そこから他の箇所でもけがをするようになり、精神的にも辛い日々が続きました。実は大学卒業間近にも、左足の小指側にある第5中足骨を骨折して最近復帰したばかりなんです。正直、骨折したときは (サッカー人生が)もう終わったな… 」と思いましたが、悪いことばかりじゃありませんでした。両親や中学時代の恩師、スクールの仲間たちなど、たくさんの励ましの言葉をもらいましたし、ヴェロスクロノスからもオファーをいただきました。周りの人たちの温かさと期待が本当に有難くて。 「人に支えられている」ということを、強く実感できたことは、僕の人生の財産になりました。

 

―ポジションはサッカーを始めたころからずっと変わらず?

小・中学校は主にボランチだったんですが、高校では攻撃的なポジションでのプレーが増えました。トップ下や、時にはFWとしてもプレーしましたね。大学からまたMFになり、現在は右サイドハーフをやっています。MFは攻守両方の技術が求められますが、守備がまだまだ不得意で勉強中です。戦術の理解を深めて、自分で考えて動くことをもっと意識して実力を付けていきたいです。

 

―ご自身の持ち味を教えてください。

ドリブルからのクロスやゴール前でのチャンスメイク、あとはシュート力です。さらに磨きをかけるためにトレーニングを重ね、運動量を増やしたいと思っています。けがでの長期離脱で、体力もボールタッチの感覚も鈍ってしまったんです。早く取り戻せるように今はもがいてる最中ですね。

試合では持ち味を生かしたプレーでチャンスメイクする味元選手(中央)

 

 

ヴェロスクロノス都農との出会い


―ヴェロスクロノス都農に入ったきっかけは?

大学時代に試合を見に来てくださってた根本さん(根本一也強化部長)に声を掛けられたのが最初です。昨夏の練習に参加して、レベルの高さに驚きました。大学卒業後もサッカーを続けたいと思ってましたし、またとない機会だと思って承諾しました。

 

―レベルの高さに驚いたそうですが、チーム全体の印象はどうでしたか?

選手みんなの意識が高く、「試合中の攻守の切り替えが早いチームだな」と思いました。ボールを支配して試合をつくっていくスタイルが自分に合っているな」と感じ、入団を決めました。

 

―チームメイトのFW田辺涼成選手は中学から大学までの先輩だそうですね。どんな先輩ですか?

田辺さんは本当に優しい人です。よくごはんに連れていってくれますし、チームメイトとのコミュニケーションを取るのも上手な人なので、いつも助けられています。ヴェロスも田辺さんがいるから入りやすかったし、安心して過ごせてますね。家が近いので、神代さん(MF 神代一慧選手)と田辺さんと一緒に練習に通ってるんです。

 

―田辺選手のどんなところが特に好きですか?

高校時代、第一線で活躍してた田辺さんは憧れの存在でした。技術力もですが、フィジカルを強化するために筋力トレーニングを一生懸命してて…練習やトレーニングに一切妥協しない姿勢も尊敬していますね。

九州リーグ第5節川副クラブ戦では、同じピッチでプレーした味元選手(写真左)と田辺選手(写真右)

 

 

絶対的エースではなくとも、チームに必要な存在に


―ヴェロスクロノス都農ではどんな存在になっていきたいですか?

一試合でも多く出場し、チームの勝利に貢献したいです。とはいえ、自分は絶対的なエースになるようなタイプではないと思っています。守備を強化し、得意のパスでゴールをアシストする。どんな相手との試合でもチームに必要とされる存在になりたいです。

 

―お話ししていて感じますが、本当に謙虚ですね。

そうですかね。謙虚というかなんというか…結構メンタル弱いんですよ。(笑)いろいろと考え込んでしまうタイプなので。それも上手くプレーに昇華できたらなと思います。

 

―4月のFC博多戦がプロ初戦であり、けがからの復帰戦でもありましたね。

改めて大学サッカーとプロサッカーの違いを実感しました。プレーの激しさも戦術も、強度が全然違って圧倒されましたね。でも、「この環境での試合に慣れたら、また一歩成長できるな」と感じました。

九州リーグのデビュー戦、後半途中出場ながらも得意のドリブルで存在感を示す

 

 

―その翌週の日本製鉄大分サッカー部との試合では、右サイドから精度の高いクロスを供給する場面もありました。パスにも結構自信がありますか?

その意識はあまりなかったです。(笑)ただ、的確なクロスには自信があるので、今後もアシストでも存在感を出していきたいです。

 

―天皇杯ではベンチ入りするも出場メンバーに選ばれず、チームメイトのMF五領淳樹選手に「悔しい」と吐露していましたね。その時はどんな想いでしたか?

結構あの時は精神的に食らいましたね。五領さんに「こういうことがこの先も続くから、悔しさを積み重ねて精神的に強くならないと」とアドバイスをもらって持ち直すことができました。辛かったけど、悩んだときはアドバイスをくれる先輩がいる環境って改めて有難いなと感じました。

 

 

 

仕事も、サッカーも。何事にも妥協しない。


―陽明(やひろ)って珍しい綺麗なお名前ですね。

ありがとうございます。自分でも気に入ってます。詳しい由来は知らないんですが、両親が実家近くの神社でつけてもらったそうです。その神社には今も帰省したときにお参りに行っています。

 

―プロフィールページのマイブームに「散歩」とありますが、リフレッシュも兼ねているんですか?

普段から考えすぎて悩むことが多くて。よく散歩しながら、自分なりに解決策を考えています。大学時代は宮崎県立美術館や県総合文化公園など近場をよく巡っていましたね。RADWINPSが好きなので、音楽を聞きながら歩いています。

 

―宮崎県内や都農町でおすすめの場所はできましたか?

都農神社は自然豊かでよかったですね。あとは、都農ワイナリーですね。先日初めて行ったんですが、景色がきれいだなあと思いました。

 

―自然豊かな場所で過ごすのが好きなんですね。

自然は確かに好きですね。ゆっくり時間が過ぎる感覚が好きなのかもしれません。今は練習と仕事と試合でなかなか忙しい日々なので、そろそろのんびりする時間もほしいですね(笑)

 

―仕事先のシフトプラス株式会社ではどんな仕事をしていますか?

勤務先は都城営業所で、主にPCの設置やキッティング作業を担当しています。PCの知識がほぼない状態で入社したので、同僚の皆さんにいろいろ教えてもらいながら取り組んでいます。個人的には「もっと自分ができる仕事を増やさなければ」と思っていますね。サッカー選手としてだけでなく、社会人としても会社に貢献できるようにならないと。同僚の皆さんはすごく優しくて、試合にも応援に来てくれるんです。仕事面でも役に立てるようになって、少しでも恩返しできたらと思います。

慣れない作業に奮闘しながらも、少しでも多く仕事を覚えたいと話す職場での味元選手

 

―今後の試合ではどのような活躍をしていきたいですか?

自分の強みはやっぱりドリブルなので、しっかりアシストもして、チームの勝利に貢献したいです。

 

―最後にチームとしての意気込み、サポーターへの想いをどうぞ。

ヴェロスは本当に一人一人の技術力が高いチームです。今年こそJFLに昇格したいですし、自分ももっと上手くなって少しでも力になりたい。試合のたびに多くの人が応援してくださっているのを、声援の大きさや観客数で実感しています。昇格して恩返しします!


味元 陽明 選手の詳細プロフィールはこちら

2025.06.06
選手・スタッフ

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