2024.07.04

《選手&スタッフ インタビュー#27 》永野 雄大選手インタビュー

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物腰柔らかく、寡黙で穏やか

しかし、ひとたびプレーが始まれば、闘志溢れるプレーで相手を蹂躙!

絶対に折れない不屈のメンタルMF永野雄大選手にインタビューした。 

 

サッカーとの出会い


―サッカーを始めたきっかけは?

親父の影響です。プロではないんですけど、小さいころから一緒にボールを蹴って遊ぶことが多くて。その流れで地元・福岡のクラブ「鯰田(なまずだ)FC」に入りました。

 

―Jリーガーを輩出しているクラブチームですね!

そうですね。その時は別にサッカー上手くなりたいとかは、なかったんですけどね。 
住んでる地域と鯰田は結構離れてるんですけど、友だちはみんな「鯰田FC」に入っていたので、それなら僕も……という感じで入りました。

 

―「鯰田FC」からプロが育つ秘密は何だと思いますか?

指導力の高さだと思います。沢山ボールに触るのは大前提なんですけど、各年代のコーチが一貫して“教えずに自分で考えさせる”というスタイルなんですよね。僕もそうでしたけど、聞いても意外と答えてくれなくて(笑) 
だからこそ自分で考える能力が育って、今でもプレーや考え方にその経験が活きていると思います。 

ピッチを駆け抜ける永野選手

 

本気でサッカーに向き合う


―中学生からギラヴァンツのジュニアユースに入ったんですね

ですね。ギラヴァンツ北九州の前身のニューウェーブ北九州(現在のギラヴァンツ北九州)が、プロ化してユースを作るというタイミングでした。なので一期生です。別のところも考えていたんですけど、親父がホームページで見つけてきてくれて。そのままテストを受けて「受かったんなら、もうそこ行っちゃえよ」と言われて、言われるがまま入りました(笑) 

 

―環境は変わりましたか?

中学生に上がるまでは、皆で仲良くやるという感覚でサッカーをしていました。楽しんでサッカーをやっていたというか。それがジュニアユースに入ると、細かいところの練習の強度とか今までと全然違っていて。Jリーグの下部組織なので、プロの選手と関われることが多くて、サッカーへの向き合い方や練習などを身近で見られるんですよね。 
今までと全く違う環境に置かれて、はじめて僕も本気でサッカーに向き合いました。遊び半分だったのが変わったというか。本気でプロになりたいという気持ちをその辺りから持つようになりました。 

 

―高校生では、国体に出場されていますね

僕がジュニアユースの時の監督が、たまたま国体のコーチだったんです。今思えば、僕のプレーが監督のやりたいサッカーとマッチしていたのかなって思います。運が良かった部分もありますかね。

 

―初出場、どうでしたか?

強いチームから来ている人、今まで見たことのないくらい上手い人がたくさんいたので、めちゃくちゃいい経験になりました。緊張するというよりも、楽しかったです。

 

―濱口選手も一緒に国体に出ていましたよね

今も昔あのまんまですよ(笑)僕、早生まれなので学年は1個上だったんですけど、当時のメンバーがくせ者揃いで、僕が年下みたいな扱いを受けていました。でも、久しぶりに会ったら敬語になっていたりして、気持ち悪いなって(笑) 

 

挫折からの復活、強い気持ちへ


幅広い視野で縦横無尽にプレーする永野選手

 

―順風満帆にサッカーを続けてきたんですね 

いえ、実は高校卒業後にプロになれなかった時点で、サッカーをやめようと思ってたんです。僕の1個上の先輩がチームではじめてトップ昇格したのを身近で見ていたので、自分も高校卒業したらプロの舞台で活躍するつもりでした。 
でも、卒業前の練習試合でプロに混じってプレーしたら、実力の差をめちゃくちゃ感じてしまって。結局声がかからなくて、プロになることもできず。挫折というか……結構メンタルやられました。なかなか通用しない部分もあるんだなと。

 

―どうやって挫折を乗り越えたんですか? 

親だったり、お世話になったコーチだったり、周りの人に「もう一回頑張れよ」と言われて。そんなに止められるとは思っていなかったです。支えられて、応援されて、サッカーをしていたんだなと改めて思いました。もう一度大学でも頑張ってみようと思えたんですよね。だから、進学した阪南大学が強いか弱いのすらも、入学するまで分かっていなくて(笑) 
で、入ってみたらJリーガーめちゃくちゃ排出している大学っていうのを知りました。

 

―入学後に!  

そうです(笑)色々調べたらすごい選手めちゃくちゃいるなって。入って最初の練習で衝撃を受けました、レベル高すぎだろって。高校から大学へ一つ上がるだけで、プレーの強度、スピード、パワーとか全然違くって。入学した1年目はついていくのもキツかったです。 

 

―大学でのサッカーでは気持ちを保てましたか?   

最初はBチームからスタートで、その後すぐに監督にあげてもらえたんです。けど、1年のときの先輩が10人くらいプロに上がって。身近でそういう人を見ていると、レベル高すぎてやっていけるかな、と不安でしたね。ただ、「もう一度サッカーをする」という決意で進学していたので、ひたすら練習して、上手くなってやるという一心で突き進んでいきました。やっと掴んできた、と思えた4年生に上がるタイミングで怪我をして。その時は「大事な時期にやってしまった」と結構萎えましたけど……。なんだろうな、みんなのプレーを見ていたら早く治して自分も試合に出よう!というメンタルになれました。やっぱり応援してくれる人がいますから。そこは折れませんでした。 

 

―怪我から復活したあとは、ボランチで活躍されたんですね  

高校時代もボランチはしていたんですが、トップ下だとかサイドハーフをやることが多くて。それまでは、そっちが自分は本職だなと思っていました。ただ怪我が治ったタイミングで、たまたまボランチになって。自分のプレーの幅が広がるかな、何か違うものが見えるんじゃないかな、とポジティブに思えたので、文句を言わずにとりあえずやってみよう!とボランチに専念しはじめました。

 

―大学では中村亮選手と同じ大学でしたね  

僕の一つ上でしたね。亮くんが4年、僕が3年のころに一緒に試合に出ました。まさか再び一緒にやれるとは思わなかったです。

 

―プロフィールに「中村亮はニワトリです」とありますが(笑)   

亮くんはシンプルに物忘れが激しいんです(笑) 周りには、ただのイケメンにしか見えていないんでしょうけど、イケメンでポンコツです。ニワトリって物忘れすごいっていうので、そういう意味のニワトリです。

(突然、永吉広大選手が取材に乱入!せっかくなので永野選手のことを伺ってみました) 
 

同じ職場で仲の良い永野選手(左)、永吉選手(右)

 

―永吉選手から見て永野選手はどんな人ですか?   

(永吉)ポンコツです。社会に適合するのが苦手な感じ。雄大も同じくポンコツです。

 

―さっき中村選手をポンコツと……(笑)   

(永吉)いや、雄大と比べてもあれはやばいですよ。 
(永野)そう、俺もやばいけど亮君はやばい(笑) 

 

不屈の精神で、念願のプロへ 


中盤のポジションでチームを支える永野選手(左)

 

―ユース時代を過ごしたギラヴァンツでプロデビューされましたね    

想い入れのあるチームでデビューできたというのは嬉しかったです。ジュニアユース、ユース、プロで計10年間ギラヴァンツにいたので、やっぱり特別な想いがありましたね。 

 

―印象深かったことはなんですか    

僕が入った年とその翌年の2シーズンはとくに印象深いですね。J2はJ3と比べてレベルが違いました。J2からJ3に落とした時の最悪な雰囲気は忘れられません。あれはなんか……なんだろうな、すごい経験だったなと。もちろん、サポーターからも厳しいヤジが飛びますし、そういうのは当たり前で言われても仕方がないと思うんですけど。 
それで病むというよりは、やっぱプロってそうだよな、自分はこんな厳しい世界にいるんだよなっていう風に思わされたというか。 

 

―高校生以来、挫折することなく何にも屈されなかったんですね    

そうですね、負けず嫌いというのもありますけどね。プレーでガツガツしているのも負けず嫌いだからです。普段は僕あんまり喋るタイプでもないし、感情も顔に出るタイプじゃないんですけど、サッカーとなると変わるんですよね。いい意味で悪くなるというか、ちょっと言い方は汚いかもしれないんですけど、相手を喰ってやるくらいの気持ちでいます。

 

―ギラヴァンツ北九州では中山選手とチームメイトでしたね     

ギラヴァンツの時を含めると、雄希くんとは今3年間続けてチームメイトです。誰が見てもわかると思うんですけど、迫力のある選手ですね。サッカーではもちろん頼りになりますし、私生活でもいろいろお世話になっています。飯に連れて行ってもらったり、頭が上がんないです。 

 

ヴェロスクロノス都農との出会い


―ヴェロスクロノス都農に入ったきっかけを教えてください 

ギラヴァンツとの契約が満了になって、トライアウトに参加した時に声をかけてもらったことです。「よかったら来ませんか」と声をかけてもらったんですけど、それまでヴェロスクロノス都農のことを正直全然知らなくて、最初の時点では候補になかったんです。ただチームがなかなか決まらなくて、そんな中ギリギリまで声をかけてくれたんですよね。そこでやっとヴェロスクロノス都農のことを調べはじめました。いろいろと調べていくうちに、「いいサッカーするな」と思いました。それと、自分のサッカーのスタイルにフィットするんじゃないのかなと。とにかく熱心に声をかけていただけたので、チームのために僕の力が必要ならば、頑張りたいなと思って、入団を決意しました。

 

―“自分のサッカースタイル”とはどういうものですか? 

ボールを大事に保持していくスタイルです。ポゼッションサッカーというんですけど、僕もスタイル的にはボールを沢山受けて、自分が支配することを意識しているので。自分のプレーを出していけるんじゃないかなと思いました。

 

―プレー面での一番のストロングポイントはどこですか?  

大まかに言うと技術と視野の広さです。細かいタッチや、パス一つにしても、質の部分は誰にも負けない自信があります。あとは、プレー中は他の人が見ない部分を見るようにしています。誰も出せないようなパスだとか、人と違いを見せるというのはプレー中は常に意識していますね。

 

―ヴェロスクロノス都農の雰囲気はどうですか?   

まずは都農町に住んでいる方の人柄がいいなと思いました(笑) チームとしては先輩方も優しくて、優しいけど意見するところはきちんと意見をしてくれるし。本当にいい方ばかりです。実力はJリーグ相手でも戦えるメンバーが揃っているなと。ただ、みんな本当に優しすぎるので、もう少し厳しいことを言い合ってもいいなと思うくらいです。

 

ヴェロスクロノス都農の未来


中山雄希選手にスルーパスを出す永野選手。元ギラヴァンツのコンビで魅せる。

 

―今後の九州リーグ戦ではどんなプレーをしていきたいですか?

やはり視野を広く、攻めるプレーをしていきたいですね。サッカーになると人が変わるってチームメイトからも結構言われます。もっと言うと、「サッカーのことになると病的だね」とか「頭おかしいくらいサッカー漬けだね」とか(笑)言ってるみんなも、おかしい人が多いと思うんですけど。 

 

―ではチームの常識人は?

和樹さん(佐藤和樹)とか、宮尾選手(宮尾孝一)とか、山田くん(山田雄太)とかですかね。以上3名(笑)

 

―個人の目標はありますか?

僕自身まだ試合にそこまで絡めていないので、まずは試合に出て数字として結果に残したいです。今まではチームよりも自分が活躍することばかりを考えていて、エゴが結構あったんですけど、ギラヴァンツを契約満了になって考えるところがあって。やっぱりチームのためにまずは頑張ることで、個人が光るんだなと思います。

 

―サッカーをしていて楽しいときはいつですか? 

試合しているときはもちろん楽しいです。ただ、負けている時の試合も楽しいです。負けている時は、相手チームも煽ってきたりするんですよ。それが結構好きで、燃えるというか、やり返してやるぞという気持ちで意外と楽しめちゃいます。

 

―自分はこういう人だという伝えたいポイントはありますか? 

普段から試合中みたいにオラオラしていません。意外と大人しいやつですってことかな?つのぴょん(都農町のゆるキャラ)とか可愛くて好きです(笑)

 

―最後に都農町とサポーターのみなさまへひとことどうぞ 

いつも熱い応援を本当にありがとうございます。チームの目標であるJFL昇格に向けてチームで頑張っていくのはもちろん、個人としても盛り上げられるように努力を続けるので、これからも応援よろしくお願いいたします! 


永野 雄大 選手の詳細プロフィールはこちら

2024.07.04
選手・スタッフ

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