明るい笑顔でピッチを照らし、
単騎でも相手ゴールを脅かす圧倒的突破力
豊富な運動量でチームに貢献するFW松本 幹太選手にインタビューした
サッカーとの出会い
―サッカーに出会う前はどんな少年でしたか?
とにかく外で遊ぶのが大好きでした。毎日家に帰るころには泥んこで…よく親に怒られていましたね(笑)
―サッカーを始めたきっかけを教えてください。
あまり覚えていないんですが、幼稚園の時に「サッカーやりたい!」って言い出したらしいです。
親は通わせるのが面倒で一年くらい放置してたみたいです(笑)
それでも「やりたい!やりたい!」ってしつこく言うから、結局は親が折れて…
幼稚園の年中のときにスクールに通えることになったと聞いてます。
―中学から高校時代は東京ヴェルディのユースでプレーしていたとのことですが、入団のきっかけは?
小学校時代のコーチに「ヴェルディ受けてこい」って言われたのがきっかけですね。
言われるがまま試験会場に行ったら、人がすごくたくさんいて。
―どれくらいの人数だったんですか?
確か自分の世代は300人くらい受けてたんじゃないですかね。最終的に合格者は6人くらいで、なんとかその中に入ることができました。
―狭き門を潜り抜けて合格したのですね…!すごいです!
全然そんなことないです。実際に入団したら周りの人がめちゃくちゃ強くて、「自分、全然だめだな」って。結構へこみましたね。
―初めての挫折だったんですね。
今までやってきたサッカーがいかに甘かったか思い知りました。でも子どもってすぐ慣れるんですよ(笑)
とにかく練習のスピード感に置いていかれないように、食らいついてやって。そうやって少しずつ環境にも適応していきました。
ヴェロスクロノス都農で活躍する松本選手
本気でサッカーと向き合う決意
―プロを目指したのはいつからですか?
小学生くらいから漠然と「プロになりたいな~」とは思っていたんですけど、ヴェルディ入ってから考えがガラッと変わりましたね。
プロのサッカー選手が近くにいて、いつでも目に入る環境で練習していたので、必然的にプロを意識するようになったというか。
ヴェルディでプロになることが夢じゃなく目標になりましたね。
―チームメイトもプロを目指している人が多かったと思いますが、関係性はどうでしたか?
もちろん全員「プロになってやる」って気持ちでやっていたので、仲間でありライバルでした。シビアにしのぎを削りあう関係って感じです。
―ユース時代も今と変わらずFWだったんですか?
小学校時代はFWだったんですけど、中学校から高校の途中くらいまではDFで左サイドバックでした。
高校中盤に当時の監督から急に「FWやらないか?」って言われて、それからはずっとFWですね。
―DFからFWに戻るときはどんな心境でしたか?
小学校までFWやっていたので特に抵抗はありませんでした。改めてしっくりきたっていうのが正直な感想です。
DFあんまり向いていなかったのかも(笑)
―FWとDFだと、どちらの方が好きですか?
前の方が好きですね!「やっちゃえ!やっちゃえ!」「ガンガン攻めよう!」っていうタイプなので(笑)
相手DFをかわし、左足でクロスをあげる松本選手(右)
―FWとしてプレーする中で、DF時代の経験が役に立つことはありますか?
今は左のウイングバックとして試合に出ることが多いので、左サイドバックの経験はすごく生きているなと実感しています。
現場経験がないと気づかれないようなことですが、DFを経験したことは確実に自分の糧になっていますね。
―学生時代に印象に残っている試合を教えてください。
大学3年生の時に全国大会で2位になったんですけど、決勝で負けたのが悔しくて、悔しくて。
翌年にリベンジしようと思っていたんですが、新型コロナウイルスの影響で全ての大会がなくなってしまったんです。
雪辱を果たすこともできなくて本当にもどかしい1年でした。多分一生忘れられないですね。
憧れの舞台で味わったプロの厳しさ
―大学卒業後、モンテディオ山形へ入団した経緯をお聞かせください。
大学4年生の時はコロナ禍で大会がなかったので、3年生までの成績や試合映像で実力を判断されるんですよ。
情報が少ない厳しい状況でしたが、山形からオファーをいただいて無事にプロになることができました。
―周囲から見れば順風満帆なキャリアですね。
最初は試合にも出て順調だったんですが、入団から4ヶ月で自分を獲得してくれた監督が退任してしまったんです。
そこから怪我も重なってあまり試合に出られなくなってしまって。思うようにいかない、もどかしい日々を過ごしましたね。
―怪我でつらい時期はどのように過ごしていましたか?
がむしゃらに筋トレしていましたね。プロテインもしっかり飲んでたんですけど、気づいたらがっつり筋肉がついてしまい…
172㎝で72kg(現在は63kg)までいったことがありました。ラグビー選手みたいな体型になっちゃって(笑)
―やりすぎてしまったんですね!(笑)
急に身体が重くなって、驚くほど動けなくなりましたね!やりすぎってよくないんだなと反省しました(笑)
―その後、期限付き移籍で入団したJ3のテゲバジャーロ宮崎(以下、テゲバ)での選手生活はいかがでしたか?
とにかく「つらかった」の一言ですかね。
テゲバのサッカースタイルと自分のスタイルにズレがあって、試合に出場できない日々が続きました。
チームに合わせたサッカーをすることも大切だとは思いますが、「自分のサッカーを曲げたくない」「持ち味を失いたくない」、
そんな気持ちが強かったがゆえに、かなり悩みましたし、つらかったですね。
スピードに乗ったドリブルで相手陣内に攻め込む松本選手(右)
ヴェロスクロノス都農との出会い
―ヴェロス入団のきっかけを教えてください。
テゲバでのつらい経験からサッカーを辞めようと考えていた時、小寺監督が「うちに来てくれ」と声をかけくれたんです。
最初は迷いもありましたが、小寺監督が元々ヴェルディの通訳だったということもあり熱烈に僕を推してくれて……。
その熱量に心を動かされて入団を決意しました。
―同じ宮崎のチームですが、入団前のヴェロスへの印象はいかがでした?
テゲバ時代にヴェロスの隣で練習したことがあって「ヴェロスの練習レベル高いな」と、当時のチームメイトと話した記憶があります。
外から見ていた時からいいチームだなと思っていました。
―実際に入団して印象は変わりましたか?
以前の印象通りでしたね。元プロの選手も多いですしレベルの高い環境でサッカーができているなと毎日感じています。
その分チーム内のレギュラー争いはかなりシビアですね。自分も入団当初は出場機会に恵まれず悔しい思いをしました。
―ヴェロスで特に凄いと感じた選手はいますか?
MFの雄大君ですね。一つ一つのプレーに違いが出せる、すごくおもしろい選手だなと。
特に視野の広さが別格で「そこに出せるんだ」「そこ見えてるんだ」と本当に驚かされます。めちゃくちゃ良い選手です!
―松本選手の思うヴェロスのサッカーの特徴を教えてください。
得点が多くボールを持っている時間も長いので、攻撃的なプレースタイルが強みであり魅力だと思います。
―ご自身のプレーの強みはやはりドリブルを駆使した突破力?
ですね!ドリブルが一番の強みだと思います。その能力を買われてこのポジションで試合に出させてもらっているのかなと。
ゴール付近でドリブルを仕掛ける松本選手(右)
―左ウイングバックとしてのプレーの難しさはありますか?
自分の得意とするプレーではありますが、左サイドから単独で突破することが難しいと感じる場面もありますね。
周囲に味方が少ないので大変…というか体力的にキツいです!この思いは監督にも伝えたいです(笑)
試合によっては他選手の倍の距離を走っていることもあるので、
今後の試合では、ぜひ左サイドがかなり苦労してるところに注目してほしいですね!
―ドリブルの他に、今磨いている技術があれば教えてください。
左利きなので右足の技術向上に力を入れています。
左利き選手ってそれだけで貴重なので「左だけ練習すればいいや」って考えの人が結構多くて。
意外と右で蹴れない左利きの人が多いんですよ、僕もそのタイプでした(笑)
都農町での生活
―都農に初めて来たときの印象を教えてください。
すごく田舎だな!と思いましたね。東京出身ということもあって最初はこの何もない土地が怖かったです(笑)
今では小さい町ならではの、必要なことが全て町内で完結する生活に愛着を感じています。
―都農町でお気に入りスポットはありますか?
川ですね。最近暑すぎるのでチームメイトとよく一緒に行ってます。アイシングみたいな(笑)
もしくは自宅が大好きです。
―ご自宅では何をされているんですか?
観葉植物の世話をしたりゲームをしたり…あとアニメも結構いろいろ観てますね。
「ライジングインパクト」っていうゴルフアニメがお気に入りです。最近ゴルフを始めたので…
―ゴルフもやられるんですね。多趣味なんですね!
ゴルフは周りの選手がやるようになって誘われて始めました。今は月2回くらい行ってます!
自主的に何か始めたりはしないんですけど、誘われたらなんでもチャレンジしてみるタイプです。
合わなければやめればいいですし。逆におもしろかったら好きなものが増えてお得なんで(笑)
―そんな松本選手が人生でモットーにしていることはありますか?
「一期一会」ですね。移籍を経験してきて短い時間しか関われず、もっと話しておけばよかったと後悔した経験があって。
なるべく人と積極的に関わっていこう、出会いを大切にしようと思うようになりました。
―地域おこし協力隊ではどのような仕事をされていますか?
デジタル班として地元の高齢者の方々にスマートフォンの使い方をレクチャーしています。
都農町民の皆さんとコミュニケーションをとることがメインの仕事ですね。
仕事ではデジタル班の一員として活動する松本選手
―都農町民の皆さんと関わる機会が多いかと思いますが、町や人の印象はいかがですか?
めっちゃあったかいですね!ファンと選手っていう関係じゃなくて、同じ都農町民として接してくれるのが嬉しいです。
例えば、お裾分けをしてくださったりとか、町民同士の繋がりが深いところとか。
東京出身の自分にとって、お裾分け文化はすごく新鮮で楽しいですね。
―それでは最後にサポーターの皆さまへメッセージをお願いします!
いつも応援ありがとうございます!僕たちの道はまだ始まったばかりです。
これから多くの超えるべき壁があると思いますが、皆さんの応援を力に変えて乗り越えて行きたいと思っています。
JFL昇格という結果で恩返しできるように頑張りますので、最後まで応援よろしくお願いします!
松本 幹太 選手の詳細プロフィールはこちら
- 2024.09.06
- 選手・スタッフ