小寺監督の熱い想いに心動かされ、2025年2月に加入。
入団から1ヶ月足らず、すでに公式戦2試合で2ゴールを挙げる。
チームが渇望していた「得点力」の起爆剤として期待される、鈴木琉矢選手にインタビュー。
大切で、ずっと続けたい。そう思えたサッカーとの出会い
―いつ、どんなきっかけでサッカーを始めたのですか?
サッカーを始めたのは、5歳のときです。
2歳年上の兄がサッカーを習っていたのですが、毎回その練習を見に行っていたんです。
ある時、チームのコーチが抱っこしてコートに連れて行ってくれて「ボールを蹴ってみろ」って。
それが結構楽しくて、それからずっとサッカーをやっているという感じですね。
兄がサッカーをしているところをずっと見ていたのは、「やってみたいな」という気持ちがあったからなのかなと思うので、それがコーチにも伝わったのかもしれません(笑)
―中学時代には、地域のトレセン(トレーニングセンター)に選ばれていたとか。
はい。自分が参加していたのは結構強いチームの選手もいるトレセンでした。
自分が所属していたクラブチームはカテゴリーでいうと県3部だったんですが、トレセンには県1部の選手も多くいたんです。
そこでスキルの差をすごく感じましたね。
でも落ち込むというよりは、上手い選手の技術を吸収しようとしていたように思います。
―プロを意識したのもそれくらいの時期なんでしょうか?
いや、中学時代は本当に、ただがむしゃらにサッカーを楽しんでいただけでしたね。
高校生になったときにはじめて、「高校を卒業してプロになる」という目標を立てました。
自分の高校は神奈川県の1部リーグに所属していて、関東大会で優勝することもあったのですが、全国大会の常連というわけではない、というレベル。
そんな環境で、高校1年生の時は怪我で試合にほとんど出られず…。
高校2年生の時に少しずつ試合に出られるようになってスタメンにも定着し始めて、関東大会の優秀選手に選ばれるくらいになったんです。
でもプロチームからは声がかからなくて。ただ、それでサッカーを辞めようとは思いませんでした。
それくらいサッカーは大切で、ずっと続けたいものになっていました。
語り合った時間がサッカー人生の指針に
―そういった状況での大学選びは、何を軸にして行ったのでしょうか?
「自分のやりたいサッカーができるかどうか」が、大きな判断基準でした。
「ポゼッションサッカーの中でボールにかかわってどんどんパスをつなげていきたい」という気持ちがあったので、そういったプレースタイルの大学を選びました。
―大学の4年間で印象的な出来事や、ターニングポイントとなった経験はありますか?
一番印象に残っているのは、自分が大学1年生の時の関東大会ですね。
結果としては優勝できたのですが、実は関東大会に進むためのリーグ戦ではほぼ負けていたんです。
リーグ戦が終わった段階でなんとなく、「このままでいいのかな」と不安に思っていました。
チーム全体が同じ気持ちだったのか、方向性を一つにするために何度もミーティングが行われたんです。
「リーグ戦では何が悪かったのか」とか、「関東大会で勝つには何をするべきか」とか。
話し合いを行うことで、チーム全体で気持ちを高めあうこともでき、それが優勝という結果につながったと思います。
副主将も務めた産業能率大学時代の鈴木選手
―その後の大学生活で1年生のときの経験が生きたなと感じる場面はありましたか?
そうですね。
4年生の時に副キャプテンを任せてもらっていたのですが、リーグ戦で降格するかどうかギリギリのラインに立ってしまったときに、積極的に話し合いの場を設けるようにしました。
一人ひとりが話し合いの場でやるべきことを考えて、整理したうえで練習に臨むようになって、サッカーに対する意欲も、目に見えて上がっていったように思います。
だからこそ降格せずにリーグ戦を戦い抜くことができました。
自分自身も、負ければ降格プレーオフの可能性が出てくる試合で、先制点を含む2ゴールを決めることができ、本当に嬉しかったです。
―大学卒業後の進路を考えるタイミングでは、どのように過ごしていましたか?
同期が次々とプロ契約を決めていっていたので、焦りはありました。
周囲にそういった同級生がいることで、自分のサッカー選手としてレベルが明確になったんです。
それでもやっぱり「サッカーを辞める」という選択肢はなかったので、自分がサッカーをできる場所で続けていきたいという一心でしたね。
そういったタイミングで、ヴェロスからお声掛けいただきました。
―ヴェロス以外のチームからもオファーをもらっていたと聞きました。そのうえでヴェロスを選んだのは、何か理由があったのでしょうか?
ヴェロス以外にも1つオファーをいただいていて、カテゴリーでいうとそちらの方が上でした。
でも、ヴェロスの方がサッカーをやっていく上での環境が良かったりとか。
あとは、監督やスタッフ、選手の皆さんから感じた熱量に感化されたのが大きかったです。
「ここでやった方が自分は成長するだろう」と強く思いました。
プロ1年目をどういう意識で過ごすかはとても重要だと考えていて。
もうひとつのチームを断って、ヴェロスへの入団を決めました。
九州リーグ開幕戦ではスタメンに抜擢、先制ゴールも決めて存在感を示す鈴木選手
―ヴェロスの熱意を感じた具体的な出来事があったんでしょうか。
そうですね。小寺監督とお話をさせていただく機会がありました。
その際に、「正直迷っている」ということを腹をくくって伝えたんです。
それに対して監督が「俺はお前がほしい」という強い言葉をくれて。
本当に自分を必要としてくれていることを感じました。振り返ると、この言葉は結構決め手の一つだったのかなと。
入団してから、チームメイトの皆さんからもサッカー熱の高さを感じています。
選手同士でプレーについて話すっていうのは当たり前だと思うんですけど、ヴェロスの場合、一つの問題に対して何人もの選手が話に加わって、その問題を解決して。
じゃあ次はこういうプレーをしよう!っていうやり取りをしているんですよね。
サッカーに対する気持ちがないとそこまでできないと思うので、そういうところがやっぱり熱いところなのかなと思っています。
―大学時代の環境と似ている部分がありますね!
確かに。だからこそヴェロスに魅力を感じたというのもあると思います。
ヴェロスに新しい風を吹かせる
―2月末に入団が決まって宮崎に移住。3月中旬の天皇杯公式戦ですでに2ゴールを上げるなど、活躍が光っていますね。サポーターからの注目が集まっていると思います。自分のプレーの「ここ」を見て!というポイントがあれば教えてください。
ボールを持った時のゴールへの執念です。
これはサッカーを始めたときからそうなんですが、「とにかくゴールを決めたい!」という強い想いがあって。
ゴール前でのボールの扱い・ポジショニングの嗅覚には自信があります。
あとは足の速さ。
特に初速の速さも自分の長所だと思っているので、スピードを生かして攻撃の起点になれるところを見てほしいです。
―前線でコンビを組んだ山田雄太選手(昨年九州リーグMVP&得点王)と一緒にプレーしてみてどうでしたか?
自分の役割を明確に表現できる選手だなと感じました。
相手を背負ってボールを収める技術も高いと思います。
自分の持ち味と絡めてさらに連携を高めていきたいです。
天皇杯宮崎予選の準々決勝、ゴールを決めてチームメイトと喜びを真かち合う鈴木選手
真面目な性格。素の姿は…??
―ここからは宮崎県での暮らしについてお聞かせください。ずっと関東で暮らしていて、初めて宮崎県に来られたとのことですが、慣れましたか?
正直、暑すぎます(笑)
めちゃめちゃ暑いです。日差しが違いますね。
でもSUPとかアウトドアアクティビティが好きなので、夏が楽しみです。
新卒で社会人生活も初めてなので、それも慣れないことが多いですね。
仕事としては、シフトプラス宮崎営業所でふるさと納税のポータルサイト管理業務をしています。
初めてのことが多いんですが、赤塚選手や高橋選手も同じ営業所で働いていますし、優しい方ばかりなので、「いやだな」っていう気持ちなく仕事ができています。
シフトプラス宮崎営業所ではポータルサイトの管理業務に励む鈴木選手
―都農町の皆さんとお話しされたりしましたか?
よく「話しかけにくいオーラが出ている」と言われます。
でも全然そんなことないんですよ!
コミュニケーションには自信があるので、気軽に話しかけていただきたいです。
―性格についての自己紹介で「真面目」と回答していたことも、なんとなく話しかけにくい理由なのかも…?逆に真面目じゃないと思うことがあれば教えてください!
真面目・不真面目とは少し違うかもしれないですが、こいつ少し変だな…と思われたことはあります(笑)
つい最近のことなんですが、職場に短パンとサンダルで出社しかけたことがあって。
先輩の赤塚選手に「さすがにそれはまずい(笑)」と注意されまして…近くの古着屋へ急いで服を買いに行きました。
急いでいたので細い道を通り抜けてショートカットしようとしたら、上着が引っかかって破れちゃって…。
結局、全身の服を購入することになりました…(笑)
―意外とお茶目なところもわかって親近感が湧くと思います!では、最後に真面目な質問!チームがJFL昇格の目標を達成するために必要なことはなんだと思いますか?
昨年の地域CL(チャンピオンズリーグ)の話も聞いていますし、 チームの今年の課題でもある得点力アップが鍵になると思います。
当たり前ですが点を取らなければ勝つことができないし、自分の強みもそこで発揮できるように、毎試合やるべきことを続けていくことが必要だと思います。
個人としては得点王を目標として、チームに貢献していきたいです。
―サポーターの皆さんへも一言おねがいします!
素晴らしい応援をありがとうございます!日々練習して結果で恩返しできるようがんばります!
一丸となって必ずJFLに昇格をしましょう!よろしくお願いします!
―ありがとうございました。得点王、期待しています!
ありがとうございます、頑張ります!
鈴木 琉矢 選手の詳細プロフィールはこちら
- 2025.04.11
- 選手・スタッフ