2025シーズンにFC徳島から移籍。
“負けたくない”から始まったサッカー人生は、コンバートなど様々な経験を通してヴェロスで花開く。
「前向きな発信者でありたい」と話す、期待の大型DF・山原慧也選手にインタビューした。
兄と切磋琢磨した少年時代
―サッカーを始めたきっかけを教えてください。
練習を見に行ったことがきっかけで、地元のクラブへ加入しました。5、6歳くらいだったと思います。父の同級生の方が監督をやっていて、1歳年上の兄がすでに入団していたクラブでした。
加入してしばらく経つと、地元では僕も兄も割とレベルが高い選手として認識してもらえるようになりました。なので兄に対してかなりライバル意識を持っていましたね。絶対に負けたくなくて、練習で1対1 になったときは取っ組み合いの喧嘩になるくらい(笑)
喧嘩するなら帰れと監督に言われて2人とも家に帰らされることもあったんですが、帰り道では喧嘩することなく2人で一緒に歩いて帰っていました。仲は普通によくて、サッカーをしているときだけライバルって感じでしたね。よきライバルである兄が身近にいたからこそ、ここまで続けてこられたのかなと思います。感謝しています。
香芝高校時代には10番を背負い、チームの中心選手として活躍
―これまでのサッカー人生で転機になった出来事や印象に残っていることはありますか?
それでいうと、大学時代だと思います。ポジションはずっとFWだったんですが、大学4年生の時にDFにコンバートしました。紅白戦の時に監督から「DFやってみないか」って言われて。
それまでも何度か監督からDFへのコンバートを打診されたことがあったんですが、正直冗談だと思っていたんです。でもFWでスタメンとして出場できていなかったので、「試合に出してもらえるチャンスなのかもしれない」と思い、DFに挑戦することにしました。
素晴らしいチームメイトと共に、充実した日々を過ごした大阪経済大学時代の山原選手(写真中央)
―その結果、どうでしたか?
自分の中ではすごくハマりましたね。あのコンバートがあったからこそ、ここまでサッカーを続けることができたと思います。前後左右いろんな方向からプレッシャーを受けるFWに対して、DFは前からのプレッシャーがメイン。僕はプレッシャーが前からだけの方が圧倒的に向いていると感じています。
―プロ入りを考え始めたタイミングは、DFにコンバートしたあとですか?
いえ。大学2年生くらいのときには、すでに両親に「就活をする気はなく、プロを目指す」ということを伝えていました。ずっとサッカーしかやってきていなかったので、サッカーが中心ではない生活を考えられませんでした。
―大学時代に現在ヴェロスでチームメイトである永吉選手と対戦したこともあるんですよね?
お互いのポジション的にマッチアップは少なかったので、鮮明に記憶に残っているわけではないのですが、当時から上手い選手だなぁと感じていました!
大学時代に対戦したこともある山原選手(写真右)と永吉選手(写真左)
対戦相手からチームメイトへ。次なるステージへの扉を開く
―大学卒業後は四国リーグの強豪・FC徳島と契約し、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(以下、地域CL)の1次ラウンドでは2度、ヴェロスと対戦していますね。当時を振り返って印象に残っていることはありますか?
自分がFC徳島でプレーした中で一番良い動きができたのが、2023年の地域CLでのヴェロスとの試合でした。ヴェロスと当たったのは1次リーグの3戦目。1、2戦目はセンターバックとして出場していました。ところが3戦目の試合前、監督に「今日はFWで出場な」と突然言われたんです。
《2023年の地域CL1次ラウンドの詳細はこちら》
https://veroskronos.com/topics/detail/2023100574
チームは1、2戦目で負けていたので、すでにリーグ戦突破はできないとわかっていた状態で…だからこそプレッシャーから解放されて、いい意味で肩の力が抜けた状態で楽しんでプレーができていました。
ただ、DFと比べてFWの運動量ってすごい多いんですよね。長い距離を走るというよりも、スプリントダッシュを繰り返す機会が多いというか。体力の使い方が違うんです。だから後半は吐きそうなくらい辛かったです(笑)それもいい経験でした。
地域CLでは、2年連続でグループリーグでヴェロスと対戦したFC徳島時代の山原選手(写真右から2番目)
―そこからどういう経緯でヴェロスに移籍することになったのでしょうか?
ヴェロスの強化部長である根本さんが声をかけてくれたのがきっかけですね。徳島まで来てくれて、1対1で会話する時間をいただきました。
「Jリーグでの経験がある選手も多くいるが、下から突き上げるような勢いが欲しい」というのが、移籍の際にヴェロスから求められていたことでした。もっとアグレッシブに上を目指していきたいと強く思っていた僕にとって、最高の環境だなと感じました。
―加入してみて、感じたことはありますか?
最初に練習に合流したときは、シンプルにレベルが高いなって思いましたね。練習内容もしんどくて、ついていくのに必死でした。だからこそ成長速度も速いように感じます。あとは、サッカーのプレーに関する会話をチーム内ですることがすごく多いですね。先輩が練習内容などのフィードバックをくれることも多くて。そういう雰囲気なので自分からも先輩に声をかけやすいし、いい環境だなと思います。
試合では攻守にわたり、体格を活かしたプレーで活躍する山原選手
都農での暮らし。意外(!?)な休日ルーティンも
―都農での暮らしは慣れましたか?
やっと落ち着いてきました。ただ、休日はあまり外出せず、家にいることが多いかもしれないです。スーパーに行って食材を買い込んで、1週間分の料理を作り置きしておくのがルーティンになっていますね。
―自炊なさるんですね!
そうですね、昔から食べることが好きで!家で食べるごはんが美味しかったんですよ。母が作ってくれる餃子やから揚げ、茄子の煮びたしとかが今でも好きですね。おふくろの味です。それで小さい頃から母がキッチンで料理を作っているのをよく見ていたんです。ちょっとつまみ食いしたりなんかして(笑)
いつからか自分でも作るようになりました。受験勉強をしていたときも、夜中にキッチンで冷蔵庫の材料を確認して、自分でごはんを作ってました。もっとちゃんと作りたいと思って、YouTubeで料理動画も見るようになって。そうやっていくうちに料理が苦ではなくなっていきましたね。
―普段のお仕事はどのようなことをされているんですか?
地域おこし協力隊の農業班として活動しています。農家の皆さんがいつも気さくに話しかけてくれるので、温かい気持ちで活動ができています。BBQに呼んでくださったり、食材をたくさん分けてくださったりするので、助けてもらっている部分が大きいですね。
地域おこし協力隊では、農家さんと一緒に牛のお世話をすることも
目標は出場試合無失点!移籍の覚悟を結果で示す
―ヴェロスでのこれからについて伺います。チームの中で担っていきたい役割はありますか?
DFなので当たり前ですが “失点をしない”というところはこだわりたいですね。僕は左足でのキック精度が特徴だと思うので、長いボールでも短いボールでも他の選手との違いが見せられたらなと思っています。
得意の左足から前線へ精度の高いパスを供給する山原選手
精神的な部分でいうと、前向きな言葉をかけ続けられるような存在になりたいですね。チームの雰囲気って発する言葉によって大きく変わると思っているので、辛い場面でもポジティブな発言をしたい。現状は全然できていなくって、理想ではあるんですが。
―JFL昇格がチーム目標かと思うのですが、個人として残したい結果や数字へのこだわりはありますか?
まずは大前提として、もっと試合に絡む必要があるというのは自覚しています。今は毎試合出場できているわけではないので、チーム内の競争に勝って、試合に出る機会を増やしたいです。そのうえで、自分が出る試合は全て無失点に抑えたいです。「山原が出るなら守備は安心だな」と思ってもらえる存在を目指します。
―GKではないけど、守護神的な存在ですね!期待しています。では、最後にサポーターの方へ一言ください!
覚悟をもって移籍してきました。今シーズンで必ず昇格して「山原が移籍してきてよかったな」「意味のある移籍だったな」と思ってもらえるように全身全霊で戦います。応援、よろしくお願いいたします!
山原 慧也 選手の詳細プロフィールはこちら
- 2025.04.25
- 選手・スタッフ