2022.04.10

《インタビュー》2022.04.10 桝谷岳良選手インタビュー

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2022.04.10 第50回九州サッカーリーグ第5節 vs 海邦銀行サッカー部 マッチデイニュース 桝谷岳良選手インタビュー


狭いスペースでのプレー、もっとレベルアップしたい
絶対的な選手になり、JFL昇格に導きたい
都農での生活「充実」、結果で恩返し

ルーキー桝谷岳良が輝きを放っている。左利きのインサイドハーフは、狭いスペースでボールを受けてからのチャンスメークが得意で、3月19日のリーグ開幕戦から2戦続けてスタメンを張り、27日のホーム初戦で初ゴールを挙げた。チームの計11得点に大きく貢献しながらも「まだまだ絶対的な選手ではない。もっともっとレベルアップしないと」。チームの一員としても、個人としてもさらなる高みに向け、意欲をみなぎらせる。

東洋大を卒業し、3月にクラブ入団。チーム合流は約1ケ月遅れたが、小寺真人新監督が目指す「ポジショナルプレー」にすぐに順応した。「監督のやりたいサッカーと自分が得意なプレーは合致している部分が多かった。指示がストレートに耳に入ってくるし、理解できた。だからこそうまく表現できている」。瞬く間に主力へと登り詰めた。開幕戦はゴール、アシストこそ記録できなかったものの、ボールコントロールに巧みに絡み、ホーム初戦でさらに成長した。序盤から得意の狭いスペースを起点に流れをつくり、前半終了間際に左サイドからのセンタリングに鋭く反応。ゴールネットを揺らして見せた。「得点、アシストが必須の攻撃の選手なので正直ほっとした」。

横浜市出身。父はサッカー経験者、母は熱烈なサッカーファン。幼少期からボールやユニフォームが身近にあるサッカー一家で育った。5歳でボールを蹴り始め、6歳から少年団に通った。それから小学校卒業まで、ボールタッチやドリブルといった基礎的な部分をみっちりとたたき込まれた。中学からは難関を突破して川崎フロンターレジュニアユースに入団。現日本代表2人も在籍した実力者集団の中で高校卒業までの6年間もまれ、技術面のレベルアップはもとより、現在の自分につながるボールを大事にするサッカーを学んだ。ボランチとして、世代別日本代表に召集されるまでに実力を高めた。

充実したサッカー人生を送ってきたものの、東洋大では伸び悩んだ。「単純に力不足。特に2、3年のころは出場回数が大幅に減り、将来もサッカー続けていけるか不安だった」。それでも腐らず練習に励み、その努力を買われて4年になると副主将に抜擢され、出場機会も自然と増えた。サッカーを続けていく自信もついた。

そんなサッカー一筋の男が、次なる道を決めるため、全国各地のクラブのトレーニングに練習生として参加する中で、ヴェロスクロノス都農の存在を知り、先輩メンバーに交じって約1週間汗を流した。「チームビジョンが響いたし、地域密着型という面もよかった。年上の方たちがよく絡んでくるし、要求もしてくれる。中途半端に都市部でやるよりもサッカーに集中できる」。都農の自然、空気感も気に入り、悩むことなく入団を決めた。

4月から地域おこし協力隊の一員として、地域の課題に関わる仕事もスタートした。サッカーとの両立の日々に「ものすごく充実している」と話す。農水産物に恵まれた町で初めての自炊生活にも励み「食材が豊富で料理が楽しい。野菜や肉、魚をもらったりして本当にありがたい」。さらに都農の魅力に引き込まれ、結果での恩返しを誓う。クラブ加入1年目の目標を「チームとしてはJFL昇格。個人としてはシーズンを通して試合に出て得点、アシストを多く決めてサッカー人生のステップアップにつなげる」。そう力強い誓いを立て、自身の課題に掲げるフィジカル面の強化に余念がない。いかにボールを失わないか-。いかにボールを奪い切るか-。「一場面、一場面の意識を積み重ね、考えずにそういうプレーができるようにしたい」。新生ヴェロスに勢いと競争意識をもたらしている22歳から目が離せない。


※「2022.04.10 第50回九州サッカーリーグ第5節 vs 海邦銀行サッカー部 マッチデイニュース 桝谷岳良選手インタビュー」より転載・加筆。

文:鳥原 章弘 写真:中村 武史

2022.04.10
選手・スタッフ

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