2025.04.18

《選手&スタッフ インタビュー #41 》浅井 大地選手インタビュー

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「勇気や感動を与えられる人になりたい」

3月に加入した浅井大地選手に、GKになったきっかけやその魅力、 

挫折を経験したことで変化した理想の選手像について話を聞きました。

 

覚悟を決めたビッグマウスの目標宣言


―サッカーとの出会いを教えてください。

2010年南アフリカワールドカップで、GK川島永嗣選手が活躍しているのを観てサッカーの楽しさに気付きました。

また、当時流行っていたアニメ・イナズマイレブンの主人公がGKだったというのもあって憧れて、最初からGKで始めました。

 

―どんなお話だったのですか?

主人公(円堂守)が、仲間思いでピンチをチャンスに変える選手なんです!GKというポジションは、味方がミスしてしまっても一番後方で助けることができる最後の砦なので、それを体現したストーリーに魅力を感じました。

 

―本格的にサッカーを始めたのはいつですか?

小学校のクラブ活動などに入ってはいたのですが、本格的に始めたのは小学6年生の時です。フェルボール愛知というチームのセレクションに参加して、受かったのがきっかけです。愛知県の中でも名古屋グランパスと競るくらい強いチームだったんですが、そこで中学3年生までプレーしました。

覚悟を決めたフェルボール愛知時代

 

―プロを意識したのは、それくらいの時期だったのでしょうか?

そうですね。中学1年生の時に本田圭佑さんの独占インタビューを観て、本気で努力をする、本気で世界に挑む姿がめちゃくちゃかっこいいなって。僕も本気でプロを目指すようになりました。

中学2年生の時、元フットサル日本代表の森岡薫さんが僕の中学校で講演してくださったんです。質疑応答の時間に「世界一のサッカープレーヤーになりますので、浅井大地という名前を覚えておいて下さい!」と宣言して、よりいっそう本気度が増しました。当時、本田さんが「ビッグマウスになれ」と言っていて、僕自身もどこかで覚悟を決めたいなって思っていた時でした。

 

―宣言することで、自分自身にプレッシャーをかけている印象ですね。

そうなんです。最近インスタグラムで、たまたま共通の知り合いが森岡さんをストーリーにあげていて、覚えているか聞いてもらったら、めっちゃ覚えてくれていて嬉しかったです(笑)

 

飛躍を求めて、辿り着いた情熱大陸


―昨シーズンまで在籍していたFC刈谷のチームの特徴は?

当時、元日本代表の茂庭照幸さんが監督をされていて、とにかく「魂」「走る」がテーマ。若い選手も多く、エネルギッシュなチームでした。茂庭監督の言葉は重く強くて、一つ一つの言動が勉強になりました。

パッションに磨きをかけたFC刈谷時代

 

―移籍前のヴェロスの印象はどうでしたか?

全国社会人トーナメントで対戦した時に、技術が高い選手が多くて戦術もすごく、チームとしてもポゼッションサッカーが浸透している印象を受けましたね。正直刈谷よりもこういうチームがJFLに行くんだろうなって、チームメイトとも話していました。

 

―移籍のきっかけはなんだったのでしょうか?

刈谷で試合に出場できない期間が長くて、チームを変えようと考えていた時に、大学時代のGKコーチから紹介を受けて。ちょうど今シーズンから新しいGKコーチが加入されたこともあり、チームのスタイルも合いそうだと思い決めました。

 

―移籍してみて、ヴェロスの印象はどうですか?

選手も監督もすごく情熱があって、優しくて親しみやすいので、チームに入りやすかったです。九州リーグが開幕したばかりですが雰囲気も良く、なにより誰が試合に出てもチーム力が安定している。特にフォワード全員のレベルが高いなって感じています。

 

―浅井選手自身のコンディションはいかがですか?

チームのスタイルも、プレー中の感覚的な部分もできるようになってきました。自分の長所も少しずつ引き出せるようになってきたかな、という感じです。

 

―試合中、後ろからチームを鼓舞するために、意識されていることはありますか?

タイミングですね。味方のミスが多くなってきて劣勢な時とか、守備のセットプレーの時に鼓舞します。本当にピンチな時は声を大きくします。タイミングと強弱はすごく大事ですね。

今シーズン最初の公式戦、天皇杯宮崎予選の2回戦ではスタメンに抜擢

 

―東海リーグと比べて、九州リーグはここが違うというポイントはありますか?

暑いですね。愛知のジメジメしとした暑さに比べて、宮崎はカラッとしているので、こっちの方がプレーしやすいです。あと、東海リーグは九州リーグみたいな土日の連戦はないので、集中開催で試合をするというのは独特なスケジュールだなって思います。

 

新たな目標宣言、自身を鼓舞して魅せる生き様


―現在ヴェロスのGKは4名在籍していますが、浅井選手から見た他の選手の印象を教えてください。

選手全員レベルが高いです。赤塚選手と中山選手はJリーグでの経験があって、彼らの普段のトレーニングや言動から学べることが多いなって思います。中野選手も福岡大学でデンソー九州選抜に選ばれて全国の経験がある選手で、シュートストップに関して学べるところがあります。レベルが高くて誰が出てもチームを勝たせられる選手だと僕は感じています。

 

―競争力が非常に高いメンバーでやれているということですね。

そうですね。加えて、佐々木GP(GK)コーチも情熱的なので、力強いパッションを感じています(笑)

情熱的なプレースタイルでゴールを守る浅井選手

 

―積み重ねたキャリアを通じて、自身のプレースタイルや強みは何だと思いますか?

攻撃的なビルドアップ、キックの飛距離、守備面ではセービング、シュートストップの能力です。あとはまぁ存在感ですね。パッションです! 

 

―今シーズンの目標を聞かせてください。

チームとしては、今年の目標はJFL昇格です!その前に九州リーグで優勝して三連覇ですね。

ヴェロスは、2年後にJ3昇格が目標だったと思うので、今年のJFL昇格がキーポイントになると思います。ヴェロスが今後どうなっていくか勝負の2年ですね。

個人の目標としては、コンスタントに試合に出て九州リーグの一番のGKになることです!
 

―浅井選手が目指している選手像はありますか? 

自分らしさを追求したいです。具体的に言うと、攻撃的なキックはもちろんですけど、ゴールを守る姿勢、魂と生き様を魅せつけていきたいです。あと、正直僕は順風満帆なキャリアを積んできたわけではなく、オーバートレーニング症候群や左膝内側靭帯断裂による離脱など挫折も経験しました。でもそんな選手がそこからステップアップして、日本代表に、そして世界で活躍していくという、凡人が世界に挑戦していくストーリーを見せて、勇気や感動を与えられるような人になりたいです。

 

新天地、努力を重ねる姿勢にブレはなし


―都農ではどんなお仕事をされているんですか?

サッカーの時間以外は、地域おこし協力隊として活動しています。文明カフェという都農の役場が管理している施設でおじいちゃん・おばあちゃんたちに、スマホやパソコン・タブレットの使い方を教えているんです。こういう使い方ですよ!とか、こういうキャンペーンがありますよ!ということを伝えることが仕事です。

地域おこし協力隊ではデジタル班の一員として、地域の方を献身的にサポートする浅井選手

 

―都農の皆さんと交流されていますか?

この前、アイショップという駅前のコンビニの店長・宮本さんの奥さんとヨガに行きました!宮本さんご夫婦が本当にいい人たちで。最初に練習参加で来た時に、そのコンビニで知り合って以来、都農神社とか色々教えてくれて、すっかり都農のお父さん・お母さんです。アンファンネージュというヨガ教室の方もすごくいい人で、僕のためにストレッチの時間を多くしてくれました。ヨガはパフォーマンスにも活きるところがあって、柔軟性も上がるので通いたいなって思います。

 

―休日はどのように過ごしていますか?

都農に来てからは、よく旅行に行きます。宮崎市内とか、高千穂や福岡に行ったりだとか。愛知にいた時は、変わったマイブームとして滝行をしていましたね。地元瀬戸市の岩屋堂におススメの滝行スポットがあります。みんな一回行った方がいいっす!

 

―滝行!?滝行をすることで、プレーに良い影響はありますか?

滝行は心身共に禊がれますね。気持ちがすごくフラットになります。この経験は試合中にも活きていて、失点した後やミスが続いた時に、滝行の瞬間を思い出すんです。呼吸に集中することで無になり、マインドをゼロに戻せます。

地元である愛知県瀬戸市、岩屋堂公園内で滝行をする様子

 

しかも、滝行がきっかけでレスリング元日本代表の吉田沙保里さんに出会うことができました。滝行していると、いいことがあります(笑)良い縁に巡り会えるというか…邪念が落ちて、いいものがバーッと入ってくるような。

 

―吉田沙保里さんに出会ってから、普段の生活で意識していることはありますか?

主に「人事を尽くして天命を待つ」ということ教えていただいて。「自分ができることを100% やったら、その結果は神様から与えられるものだから、いい結果だろうと悪い結果だろうと、まずはそれに感謝して全て受け入れる。そしてまた努力を積み重ねる」という彼女の信念に影響を受けました。

目標に加えて目的が大事なんです。目標(形の見えるもの)に囚われすぎてしまうと、試合で負けたり、点数が取れない・取られたといったことだけを考えて、ブレるんですけど、目的がしっかりあるとブレない。目標は手段でしかないんです。そういったことを吉田さんから学ばせてもらい、何のためにサッカーをしているのか、何のために生きているのかという、本質のところを考えさせられました。

 

―素晴らしいマインドですね。最後に、サポーターの皆さんにメッセージをお願いします。

JFL昇格のために僕ができるすべてのことはやるつもりなので、応援よろしくお願いします!

 

―ありがとうございました。持ち前のパッションで今シーズンご活躍されることを期待しています!

ありがとうございます。頑張ります!

 


浅井 大地 選手の詳細プロフィールはこちら

2025.04.18
選手・スタッフ

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